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土壌病害に強くて育てやすいが、茎葉に発生する疫病には弱く、多湿を嫌うため、畑の排水をよくして栽培する[40]。陽性植物に分類されており、雨量が少なく乾燥気味の天候が続く場合、うどんこ病が悪化しやすくなる[33]。また、水はけが悪い土地で長雨が続いた場合は、疫病が多く発生しやすい[33]。これら疫病を予防するために、株元にポリマルチ[注 2]を施したり、つるや果実の下に敷き藁を行うようにする[33]。うどんこ病が発生したら、初期のうちに防除する[33]

食材[編集]

日本かぼちゃ 果実 生 [50]
100 gあたりの栄養価
エネルギー205 kJ (49 kcal)

10.9 g
食物繊維2.8 g

0.1 g
飽和脂肪酸0.01 g
多価不飽和0.03 g

1.6 g

ビタミン
ビタミンA相当量
(8%)
60 µg
(6%)
700 µg
チアミン (B1)
(6%)
0.07 mg
リボフラビン (B2)
(5%)
0.06 mg
ナイアシン (B3)
(4%)
0.6 mg
パントテン酸 (B5)
(10%)
0.50 mg
ビタミンB6
(9%)
0.12 mg
葉酸 (B9)
(20%)
80 µg
ビタミンC
(19%)
16 mg
ビタミンE
(12%)
1.8 mg
ビタミンK
(25%)
26 µg

ミネラル
ナトリウム
(0%)
1 mg
カリウム
(9%)
400 mg
カルシウム
(2%)
20 mg
マグネシウム
(4%)
15 mg
リン
(6%)
42 mg
鉄分
(4%)
0.5 mg
亜鉛
(3%)
0.3 mg
(4%)
0.08 mg
マンガン
(5%)
0.10 mg

他の成分
水分86.7 g
水溶性食物繊維0.7 g
不溶性食物繊維2.1 g
ビオチン(B71.7 µg

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[51]。別名: とうなす、ぼうぶら、なんきん 廃棄部位: わた、種子及び両端
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
カボチャの煮物
殻を取り除いたパンプキンシード
ピピアン (pipián)

食材としての旬は夏場の5 - 9月といわれ、夏野菜の一つに数えられる[52][2]。新鮮でおいしいカボチャの見分け方は、ヘタが良く乾燥していて、その周囲がへこんでいるものが完熟しており、皮がかたく、ずっしりと重みがあるものが良品とされる[52][2]。また、カット品であれば、果肉が厚くて色が濃い物がよく、種がふっくらとしているものが完熟している[52][2]

ウリ類の中では最も栄養価が高く[36]β-カロテンがバランス良く含まれているのが特徴で[52]、皮は硬いものの、長時間煮ることで柔らかくして食べることもできる。サツマイモと同様に、カボチャにもデンプンを糖に分解する酵素が含まれているため、貯蔵によって、あるいは、低温でゆっくり加熱することによって甘味が増す。したがって、収穫直後よりも収穫後、約1か月頃が糖化のピークで食べ頃となる。保存性に優れ、常温で数ヵ月の保存が可能な数少ない野菜ではあるものの、保存がきくのは切っていない場合で、切って果肉が空気に触れると数日で腐ってしまう。また、切っていなくても、湿度の高い環境では表面の微細な傷が元で、外皮から腐る場合もある。

種子(パンプキンシード)も食品として流通しており、ナッツとして扱われる。パンや洋菓子のトッピングとして用いられることが多い。メキシコにはカボチャの種子をすりつぶしたソースで肉や野菜を煮込んだ、ピピアンスペイン語版 (pipián) と言う伝統料理がある。また、種子から食用油(パンプキンシードオイル)が取れる。

アメリカ合衆国ではシナモンクローブ、パンプキンパイに用いる香辛料とカボチャを使って醸造したビールが生産されている。日本では北海道での生産量が多い。

同じウリ科のキュウリのように、未熟果を利用する品種もある。代表的なものにズッキーニ(ペポカボチャ系)やエホバク(ニホンカボチャ系)がある。

栄養[編集]

炭水化物が多く、エネルギーは可食部100グラム (g) あたり西洋カボチャが91 kcal、日本カボチャで49 kcalで、野菜の中でもカロリーは高めである[52][注 3]

β-カロテンをはじめ、抗酸化作用のあるビタミンCビタミンEが突出して多く含まれており、ビタミンB群、カリウム食物繊維もバランス良く含まれている[52]。β-カロテンは、カロテノイドとよばれるカボチャの黄色い色素成分のひとつで、体内で吸収されるとビタミンAに変換される[52]。ビタミンA・C・Eは、俗に「ビタミンエース」(ビタミンACE)とよばれ、抗酸化作用によって活性酸素を取り除き、免疫機能を高める効果があると言われている[52]。ビタミンCは、俗に「美容ビタミン」とも呼ばれ、皮膚や粘膜を健康に保ち、皮膚のしわやシミを防ぐ効果があり、風邪の予防にもよいといわれる[34][32]。ビタミンEは、俗に「若返りのビタミン」ともいわれ、毛細血管の血流を促し、老化を防ぐ働きがあるといわれている[34]ミネラルではカリウムが豊富で、ナトリウムを体外へと排出する働きにより血圧を下げる作用がある[29]。カボチャ100gで、ビタミンA・C・Eの1日必要摂取量の約半分を摂ることができ、β-カロテンが多いニンジンと比べても、一度に量を摂取しやすい[52]。カボチャのエネルギー源は糖質であり、葉物野菜の数倍を含み、特にセイヨウカボチャは、果物に匹敵するほどの糖質を含んでいる[29]。カボチャ245gのうち、タンパク質は1.8g、脂肪は0.2g、炭水化物は12g含まれ、そのうち、食物繊維は2.7g含まれるのみであり[53]、糖質の含有量が高い。このため、カボチャは穀類や芋類として分類されることもある[29]。葉物野菜類のビタミンCは長期保存によって減少してしまうが、カボチャの場合、あまり減少しない[29]。カボチャのβ-カロテンやビタミンEは熱に強く、油と合わせて調理すると、より吸収率が高まる[34]。なお、ビタミンCはブドウ糖と同じ仕組みを使って細胞内に入ってくる。血糖値が高い状態でビタミンを摂取した場合、身体への吸収は抑制される。これは、摂取したはずのビタミンが細胞に吸収されるのをインスリン(Insulin)が妨害するからである。これにより、炭水化物と一緒に摂取したビタミンCは、全て尿と一緒に排泄されてしまう[54]

調理[編集]

皮がかたくて切りにくいので、ヘタもまわりから包丁の先を溝に沿って入れて切り分ける[2]。ふつう種とわたは取り除く[6]煮物を作る際には皮を部分的に剥く[2]。煮物にするときに皮をすべて剥いてしまうと、煮崩れしやすくなる[6]。切り方は、放射状に縦に薄く切った櫛形切りにして天ぷらソテーに使ったり、太い櫛形切りから細断して角切りにして煮物に使う[2]

日本かぼちゃは、水分が多くてねっとりした肉質で、煮物に向いており[32]、出し味を利かせ薄味に仕立てると、カボチャ本来の味が生かせる[6]。また、粉質の西洋かぼちゃは「栗かぼちゃ」ともよばれ、加熱すると甘味が強くほっくりした食感がある[32]

甘みの強い品種は菓子作りにも向いており、パンプキンパイかぼちゃパン南アメリカフランや、タイの「サンカヤー・ファクトン」のようなプリンに加工される。

フランスではスープの材料として使われることが一般だが、南部ではパイやパンに料理される。アルヘンティーナでは中をくりぬいたカボチャをシチューの具材にする。

保存[編集]

カボチャは野菜の中でも保存性が高く、貯蔵しておいて冬場に食べることもできる[33]。果実を丸ごと保存するときは、新聞紙で包んで、常温(10℃前後)で風通しの良い場所に置いておくと、1 - 2か月ほど保存できる[34][6]。カットした場合は、内側から傷むため、種とわたを取り除いた後、ラップを密着させて包み冷蔵保存すれば3日 - 1週間程度は持つ[34][2][6]。量が多くて食べきれないときは、加熱して潰してから使う分量に分けてラップで包んで冷凍保存すれば長期保存が利き、すぐにコロッケやスープにして使うことができる[34]

食材以外での利用[編集]

生薬[編集]

薬用とする部位は果実と種子で、果実は南瓜(ナンカ)、乾燥した種子は南瓜仁(ナンカニン)と称して生薬とする[8]。果実は胃腸を温めて食欲を増進し、疲労倦怠、食欲不振に効果があるとされる[8]。また種子は条虫回虫駆除に用いられる[8]民間療法としては、果実は調理して食べるが、種子は1日量5グラムを600 ccの水で煎じて、3回に分けて服用する用法が知られている[8]。また、種子を炒って殻を取り除いて食べても同様によいとも言われている[8]

飼料[編集]

牛や豚の飼料として使われる。大型品種のアトランティックジャイアントは西洋カボチャ系で、ハロウィンの時期にはくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」の顔を作る際にも使われる。

観賞用[編集]

観賞用のオモチャカボチャと呼ばれる品種はペポ種に属し、これは果実の形状や色が様々であるためハロウィンやクリスマスの飾りに利用される。また、アメリカで多く栽培される果実の大きなオレンジ色の品種もペポ種に属し、くりぬいてお化けの顔を掘ったりする。

生産[編集]

日本[編集]

日本のカボチャの収穫量と作付面積の推移(1973-2012年)

生産量は北海道が最も多く、次いで鹿児島県茨城県が続く[36]。一年中出回っているが、露地物の旬は夏である[36]。鹿児島県産は5 - 6月と12月、茨城県産は6 - 7月、青森県秋田県産が8月、北海道産は8月 - 11月頃に多く出回る[36]

日本における収穫量上位10都道府県(2016年)[58]


収穫量順位都道府県収穫量(t)作付面積(ha)
1北海道82,9007,400
2鹿児島9,130838
3茨城8,090493
4長野6,430506
5宮崎5,150221
6長崎4,950526
7千葉4,600250
8沖縄3,600441
9神奈川3,480216
10山形2,900297
日本計185,30016,000

日本国外[編集]

世界のカボチャ類の収穫量と作付面積の推移(1961-2012年)

このうちトンガでは、元々カボチャの栽培は行われていなかったが、気候がかぼちゃの生育に最適であることと、日本でカボチャの需要が多いにもかかわらず収穫の出来ない12月頃に収穫期を迎えることに目を付けた日本の商社が、1990年代にカボチャ栽培を持ち込んだ。その後、カボチャはトンガにとって、日本や大韓民国向けの主要輸出品目になり、栽培が推進されていった[59]。 2010年に日本がトンガから輸入した産品の金額は7114万円だったが、そのうちの77.2%%カボチャが占めていた[60]とする文献もあるが、公的な資料である財務省の貿易統計によると2010年のトンガからの輸入額の総額は、6926万1千円でこのうちがぼちゃが5495万2千円で79.3%であった。なお2020年には、総額3930万5千円、うちかぼちゃは478万4千円で12.0%と金額、比率とも大幅に減少している。

日本への輸入量はニュージーランド産が最も多く、その他メキシコトンガが多い[36]。海外品は通年輸入され日本市場の半分を占めているが、夏・秋は国産が出回るため、国内生産量が少なくなる11月 - 5月期に輸入品が多く出回る[36]

世界のカボチャ類(pumpkins, squash and gourds)の収穫量上位10か国(2012年)[61]


収穫量順位収穫量(t)作付面積(ha)
1中華人民共和国7,000,000380,000
2インド4,900,000510,000
3ロシア1,080,84553,400
4イラン965,00060,000
5アメリカ合衆国900,88036,980
6ウクライナ587,80026,000
7メキシコ564,98634,001
8エジプト559,60630,906
9イタリア520,00019,000
10スペイン502,60010,000
世界計24,616,114.61,788,773

日本の収穫量は23位で212,000 t、作付面積は18位で18,200 haである[61]

文化[編集]

ジャック・オー・ランタン
カボチャ小豆入りのほうとうの例の1つ。
  • 日本には冬至にカボチャを食べる風習が全国各地に残る[62][63][64]。ただし、この風習は江戸時代の記録に無く、明治時代以降の風習とされる[63]
  • アメリカの先住民の間では、冬カボチャ英語版・豆・トウモロコシを密集させてコンパニオンプランツとするスリーシスターズ農法英語版が行われていた。豆はトウモロコシを支柱にツタを伸ばし、豆は窒素固定を行い土地を肥沃にして、冬カボチャは地面を覆うように育ち水分を保つ役割を担った[65]。この3種の植物は冬の間でも保存できる貴重な食物でもあった[65]
  • カナダのノバスコシア州ウィンザー (ノバスコシア州)英語版では1999年から毎年恒例行事として「パンプキン・ボートレース」が行われ、このレースは最も長距離で競う「パンプキン・ボートレース」として知られる[66]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「日本カボチャ」につながる品種のカボチャの種が導入されたのが、1541年頃という説がいわれている[9]
  2. ^ 土壌の保温や保湿、あるいは雨天時の泥水の跳ね返りを予防する目的で、株元の地面をポリエチレンシートで覆っておくこと。
  3. ^ サツマイモほどではないが、ジャガイモサトイモ程度のエネルギーがある[29]

出典[編集]

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参考文献[編集]

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外部リンク[編集]

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